米ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)で白人至上主義者の男が銃を乱射し、11人が死亡した事件から3年。 生存者らに米国社会が直面する分断とヘイトクライムへの思いを聞いた記者は、事件と向き合い続けるジャーナリストに会うため、ピッツバーグの新聞社を訪ねた。 「見聞きしたことを新聞社に電話で報告し続けましたが、ノートは涙でぐちゃぐちゃになった」 ピッツバーグの地方紙「ポストガゼット」の記者、アンドリュー・ゴールドステインさん(29)。シナゴーグ事件報道で、ピュリツァー賞を受賞した取材班の一人だ。 「仕事が評価されたことは光栄ですが、この状況は私たちが望んでいたことでは決してありません」 自身もユダヤ教徒で、襲撃されたシナゴーグがある地域で育った。現場から数分の自宅からいち早く駆け付け、警察が建物に入る瞬間も目撃していた。 「中で何が起きているのか想像も及ばなかった。ただ、直面したことがない街