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  • ウイグル弾圧の影がちらつく中国の「ワクチン外交」

    習はワクチン外交でエルドアンを籠絡するか(2019年、北京) ROMAN PILIPEYーPOOLーREUTERS <ワクチンという新たな外交上の「武器」を手にした中国が、他国に圧力をかける手段としてこれを利用しない保証はない> 新型コロナウイルスのワクチン開発と製造・販売競争が過熱するなか、新興国において際立った存在感を見せている国がある。中国だ。 中国製のコロナワクチンは欧米では承認申請もされていないが、中国政府は中東やアフリカ、東南アジアなどで活発な「ワクチン外交」を展開。王毅(ワン・イー)外相は友好国に協力したいと述べ、フィリピンにはワクチン50万回分の寄付を申し出た。アラブ首長国連邦やインドネシア、ブラジルなどでは既に中国製ワクチンの接種が開始されている。 このワクチンの特徴は不活化ワクチンであることと、セ氏2~8度の冷蔵で保存可能であることだ。95%という高い有効性が確認された

    ウイグル弾圧の影がちらつく中国の「ワクチン外交」
  • 「感染者は警察や役所でウイルスを広めよ」コロナまで武器にするイスラム過激派の脅威

    <ラマダン中には例年イスラム過激派によるテロが増えるが、今年はそこにコロナ禍が重なった> 4月27日、フランスのパリ近郊で男が車で突進し、警官2人を負傷させるという事件が発生した。男は警察に「イスラム国のためにやった」と述べ、過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓い、全世界をイスラム法で統治すべきだと記した書き置きも発見された。 4月23日頃からの1カ月は、イスラム教の暦ではラマダン月だった。預言者ムハンマドに神から最初の啓示が下された月であり、イスラム教徒はこの間、日中に飲などを断つことが義務とされる。 ラマダン中の善行には、神から通常以上の報奨が与えられると信じられている。例年ラマダン中にイスラム過激派テロが増加するのは、彼らがテロを「善行」だと信じているから。今年はそれにコロナ禍という要素が加わった。パンデミック(世界的大流行)もイスラム過激派にとって好都合だ。 各国の軍や治安

    「感染者は警察や役所でウイルスを広めよ」コロナまで武器にするイスラム過激派の脅威
  • 日本とは「似て非なる国」タイのコロナ事情

    <もともと政府への信頼が低いうえに、市民にはイスラム教徒のクラスター感染への不信と恐怖が広がっていた> 筆者が現在居住するタイで、新規コロナウイルス感染者が減少を続けている。3月22日に188人を記録したものの、4月12日以降は1日30人前後で推移。死者も累計で50人にとどまっている。 タイで取られたのは部分封鎖措置だ。3月18日に全国の学校や娯楽施設が、22日には首都バンコクで料品店や薬局などを除く全ての店が閉鎖された。26日には非常事態宣言、4月3日には夜間外出禁止令が出されたが、日中の自宅待機は日同様「要請」であり、職場や工場の閉鎖も命じられていない。 中国や欧米のような完全封鎖措置を回避しつつ、感染の封じ込めにある程度成功しているタイに、日は範を求めることができるようにも思える。しかしタイと日には違いもある。 バンコクの高架鉄道(BTS)の3月の利用者は、前年同月比で約半減

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