谷田和一郎『立花隆先生、かなりヘンですよ』(洋泉社、2001年) 副題にあるように東大で立花隆が教鞭を取ったときの教え子による立花隆への批判本である。 著者によると、初期の「田中角栄研究」とか「日本共産党研究」あたりまでは、執筆のきっかけはのちの立花隆自身によると「いきがかり」上のものであったらしいけれども、その執筆手法は誠実できちんと事実関係をあたった上での論考となっているが、立花隆が科学に手を出すようになってからのものは、事実認識や科学理論に対する間違った知識やデータ分析のいい加減さをもとにした、まったくの初めに結論ありきのもので、質が低下しているだけでなく、一歩間違えばテロを合理化するようなものになっているという。 本来は西洋科学の分析主義的手法の限界についての反省から東洋的な全体の中の一部として物事を捉える手法を取り入れてきた、いわゆるニューサイエンスの影響を受けた立花隆が、人類の