SWIFTを通じて米国が世界の資金の流れを握る 中国が発行を準備している中銀デジタル通貨、いわゆるデジタル人民元は、米国の通貨・金融分野での覇権に対する挑戦であり、そこに風穴を開けることを狙っている。一帯一路周辺国など中国との経済関係が比較的密接な国々との間の貿易取引を人民元建てへ置き換えていく、いわゆる人民元の国際化を前進させるために、デジタル人民元をその起爆剤とすることを中国は目指しているのではないか。 貿易などで人民元がより多く利用されるようになれば、国際決済通貨として圧倒的な影響力を持つドルの牙城を、いずれは崩していくことも可能になるかもしれない。ただし、人民元の国際化は、単なる国の威信をかけた目標にとどまらず、中国にとってはまさに死活問題でもあり、迅速に進めることが求められる。 国境を越えた資金決済の4割は、ドルで行われている。例えば、ロシア企業が中国企業から通信機器を購入し、ロ