本のあるところ。 探していた本が絶好のタイミングで見つかることは、とても気分がよくて、その快感のために日々本屋を徘徊しているようなものだけど、探しているわけでもないのに、呼ばれたような気がして、思わず手にとってしまう本がある。 その磁力はタイトルであったり、ブックデザインであったり、よくわからない気配であったり、まあひとことでいえば、本としての「佇まい」といったようなものなんだけれど、その時その場の磁力だけで本を買ってしまうのもまた格別の趣があって、じつはそれこそが、本買いの醍醐味といってもいいかもしれない。 なにか目に見えないものに身をまかすことの快感。こちらが選ぶのではなく、本に魅入られて、買うというより買わされてしまうっていうその感じ。 まるで奇跡のようなことだけれど、どこかで巡りあわないとそれは始まらない。人と人とが、そんな風に出会うように。 自分が暮らしている家(=コトバノイエ)