立ち位置を見つけられず、将来を見通すこともできない現状の中で、それでも何かをつかもうと、多くの人々が自分の生き方を模索しています。「知の巨人」であり、グローバルな視点で国内外の問題を語る佐藤優がメンターとして、さまざまな知識人と語り合い、新しい時代の価値観を提言。手探りで生きかたを探す人々に対して、方向性を指し示します。 人間の仕事はAIにとって代わられるのか? 人の仕事が、完全にAIやロボットに 代替されることは絶対ない ―― 新井 佐藤 今年の2月に出版された『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』によって、マスメディアや論壇で猛威をふるっていた「シンギュラリティ教」がだいぶナリを潜めましたね。第一線のAI専門家が「シンギュラリティはありません」と断言されたのは大きかった。 新井 一般的に使われているシンギュラリティ――AIが万能になり、人間の能力を超え、我々の生活が一変する――を