どれだけ働いても一定の時間働いたことと「みなす」裁量労働制は、自由な働き方を実現するための制度として注目されている。 以前から、たびたび議論のテーブルにあがる裁量労働制だが、企業の実務担当者からすると、正直、使いづらいと思う部分も少なくない。というわけで、今回は「裁量労働制」の適用拡大について思うことを書いてみたい。 裁量労働制とは裁量労働制とは「実際の労働時間数にかかわらず一定の労働時間数だけ労働したものとみなす」という、いわゆる「みなし制」の一種である。 たとえば、「1日9時間」のみなし労働時間を設定すると、その日に2時間しか働かなかったとしても、あるいは、16時間働いたとしても、9時間働いたとみなして労働時間を計算する。 つまり、何時間働こうが労働時間を一定と「みなし」て計算するため、労働者は(比較的)時間を気にすることなく自由に働くことができる、というのがこの制度のポイントである。