離婚や別居に伴う子供の引き渡しをめぐり、裁判所の執行官が司法判断に従わない親から子供を直接連れ戻すために昨年末までの過去5年間で対応した計477件の強制執行のうち、連れ戻しに「成功」したのは約3割にとどまることが22日、最高裁の調べで分かった。昨年4月の法改正で同居中の親が不在でも執行可能となったが、現場では困難も多く、法の実効性が問われている。(桑村朋) 【写真】長女を連れ去った夫との離婚訴訟が続く裁判所を眺める女性 日本では、離婚すると父母の一方しか子供の親権が持てない「単独親権」制度が採用されている。子供を養育する監護権と親権を、父母で分けることも可能だ。婚姻中の父母は別居中でも共同で親権を持つが、裁判所が片方の監護権を認めることもある。 最高裁によると、裁判所の審判や判決で子供の引き渡しが確定したのに片親が従わず、強制執行へ発展した件数は、昨年は計51件だった。これらは強制執行のう