1.DXが求めるITシステムの要件と実現方針 近年の企業情報システムにおけるキーワードはデジタル・トランスフォーメーション(DX)といわれている。従来のシステム技術の進展だけでなく、コンピューティングリソースの高性能化、大容量化、低価格化による処理可能データの巨大化(ビッグデータ)、それを用いたAI技術の爆発的な進展がその背景にある。その活動はデータ処理、AI技術を身近な社会インフラへ適用して高度化をめざすSociety5.0の考え方を生み出し、情報化社会を超える新たな時代への移行を促そうとしている。 DXはIDC Japanによれば以下のとおり定義されている “企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革をけん引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、