前回、「日本では平安時代末期から宋銭が普及していた」という話をしましたが、これに関して、「当時の日本は自国通貨を放棄して、中国・宋の経済圏に入っていたのか?」 という質問をたくさん受けました。 たしかに、現代的な視点で見れば、そう考えてしまうのももっともです。 ドルを国内に流通させている国(パナマやエルサルバドルなど)は、自国の通貨を放棄しているため、当然のことながら通貨政策を行うことはできません。(*1) これは国力を弱めることのようにも見えますが、国内にドルが流通することによって、アメリカからの投資を受けやすくなる、という効果もあります。 つまり、その国の事情によっては「ドル化」もあながち悪い政策ではないのです(逆にアメリカは、「自国の通貨政策が直接他国に影響を及ぼすことにまで責任が持てない」と反対していますが・・・)。 日本では、輸入する宋銭を"取捨選択"していた しかし、宋銭の流通