「STAP細胞」の論文不正問題で、理研調査委員会が不正と認定した画像以外に、2件の画像が論文に掲載された説明とは異なる条件の実験で得られたものだったことが、関係者への取材で分かった。理化学研究所は「現状では、改めて調査する予定はない」と話している。 【写真特集】小保方氏会見 1月末以来公式の場に 2件は、いずれもSTAP細胞の万能性を示すため、細胞が全身に散らばることを確認するキメラマウスの実験結果として掲載された。それぞれの画像の元データなどを調べたところ、胚性幹細胞(ES細胞)を使った実験結果として掲載された画像は、実際はSTAP細胞を使ったとされる実験の画像だった。もう1件も論文の説明とは異なる条件の実験で撮影されていた。 理研は、STAP細胞に関する2本の論文のうち、調査委が不正と認定した画像が掲載された1本について、著者らに撤回を勧告した。今回問題が明らかになった画像は、もう
STAP細胞は存在するのか、しないのか? STAP細胞の論文について、新たな問題がNHKの取材で明らかになりました。 理化学研究所内の検証チームが複数の画像やグラフに疑義があるとする調査内容の文書をまとめたものの、研究所ではこうした調査について一切、公表していませんでした。 日本の科学研究を揺るがすSTAP細胞問題。科学文化部の藤原淳登記者が解説します。 調査委の認定は2つ STAP細胞の論文は、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが科学雑誌「ネイチャー」に2本同時に発表しました。 しかし、その後、論文の画像にさまざまな疑問点が指摘されたことから、理化学研究所は調査委員会を立ち上げ研究不正について調査を行いました。 調査は今月8日に終了し、調査委員会はこのうちの1本の論文にねつ造と改ざんに当たる2つの不正行為があったと認定。研究所では現在、関係者の処分の検討を進めています
STAP細胞の論文に新たな画像の誤りが指摘された問題で、理化学研究所の小保方晴子氏(30)の代理人を務める三木秀夫弁護士が22日、大阪市内で記者団の取材に応じ「(誤りが指摘された)写真は小保方氏ではなく別の著者の担当分野で、違っているかどうかも彼女には理解できない」と述べた。 三木弁護士によると、小保方氏は新たな誤りについて報道で初めて知り「何ですかそれは」と話していたという。三木弁護士は「あたかも小保方氏が(画像を)ごまかしているようになっている点に憤慨している」と指摘した。 三木弁護士は「理研の調査委員会の調査は終わっている。報告書で取り上げなかった話が、なぜ正式な発表でない形で出るのか」と理研の対応を批判した。 理研は情報提供によって、別の実験結果を示す2匹のマウスとした写真が、同じマウスの別カット写真だったことが判明したとしている。(共同) [2014年5月22日12時31分]
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スイスの研究機関が60の国と地域を対象に行った国際競争力に関する調査で、日本は円安傾向でコスト競争力が向上していることに加え、企業の技術革新などが評価され、総合評価で21位と、前の年から順位を3つ上げました。 この調査はスイスの「経営開発国際研究所」が毎年、行っているもので、各国の国際競争力について、企業活動や教育、労働市場など300を超える統計を基に順位づけしています。 それによりますと、日本は対象となった60の国と地域のうち総合評価で21位となり、前の年の24位から順位を3つ上げました。調査では、円安傾向でコスト競争力が向上していることや、企業が研究開発に多額の資金を投じ、技術革新を進めていることなどが高く評価された一方で、政府の債務残高や語学力などの分野では評価が低くなっています。 総合評価の1位は、インフラ整備などで評価が高かったアメリカが2年連続で獲得し、2位はスイス、3位はシン
STAP細胞研究を検証したCDBの自己点検からは、自身の記者会見で「文章の書き直しに加わっただけ」と主張していた笹井芳樹・CDB副センター長(52)の深い関与も浮かんだ。小保方氏の採用時から始まった理研の秘密主義に笹井氏による小保方氏の「囲い込み」が加わり、客観的な検証もデータ確認もないまま、論文発表に突き進んだとみられる。 【写真特集】小保方氏会見 1月末以来公式の場に 関係者によると、笹井氏がSTAP細胞研究を知ったのは、2012年12月21日の小保方氏の面接時が最初。そこで竹市雅俊・CDBセンター長から論文作成の支援などを依頼された。笹井氏は小保方氏とともに面接のわずか1週間後、英科学誌ネイチャーに投稿する論文1本のたたき台を作り上げたが、小保方氏の過去の実験データを確認することはなかったという。 その後、笹井氏は論文1本の責任著者に入り、研究リーダーに就任した小保方氏が担うはず
「STAP細胞」の論文不正問題について、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の「自己点検検証委員会」のこれまでの調査で、CDBの幹部会議が、小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)の採用段階から、秘密保持のため審査の一部を省略するなど例外措置を容認していたことが明らかになった。関係者への取材で分かった。組織ぐるみで秘密裏に研究を進めたことが、ずさんな論文発表につながった可能性が高い。【須田桃子】 【写真特集】小保方氏会見 1月末以来公式の場に 自己点検検証委は、論文不正に関する理研調査委員会が4月1日に最終報告を発表後、STAP細胞論文の作成経緯についてCDB内で検証するため設置された。自己点検検証委は4人の外部識者で構成され、資料の収集や整理にはCDBのチームがあたった。 関係者への取材によると、CDBは2012年10月から研究室主宰者(PI)の募集を開始
STAP細胞の論文について不正と認定された2つの画像以外にも複数の画像やグラフに疑義があるとする調査内容の文書を理化学研究所のチームがまとめていたことがNHKの取材で分かりました。 文書では、STAP細胞が万能性を持つ証拠とされた複数の光るマウスの写真が、実際には、論文に書かれた内容とは異なる実験のものだったなどと書かれていますが、理化学研究所はこれまでこうした結果を公表していませんでした。 STAP細胞の論文について理化学研究所は小保方晴子研究ユニットリーダーがねつ造と改ざんに当たる不正行為を行ったと認定して調査を終了し、関係者の処分の検討を進めています。 ところが、NHKが取材したところ調査委員会が認定した2つの不正以外にも論文の複数の画像やグラフに疑義があるとする調査内容の文書を小保方リーダーが所属する神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの検証チームがまとめていたことが
理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーらが引き起こしたSTAP細胞の論文不正問題。これは本人や理化学研究所のみならず、科学の世界全般、とくに若手研究者らに大きな影響をおよぼす可能性があります。 「なんといっても、博士論文がいいかげんなかたちで書かれていたと明らかになったことの影響が大きいと思います。もしかすると、『ネイチャー』論文の問題そのものよりも」と話すのは、研究不正問題に詳しい病理医の榎木英介・近畿大学医学部講師です。 就職や留学がしにくくなる?「早稲田大学では、小保方氏のものだけでなく多くの博士論文にいわゆるコピペなど多くの問題があることが指摘されました。博士論文のクオリティ・コントロール(品質管理)に対する信頼性が大きく損なわれてしまったのです。博士号を取得した大学院生は、いまでも企業や研究機関に就職することが難しいのですが、この問題のせいで、博士をわざわざ雇う必要なんて
OECDによる「生徒の学習到達度調査(PISA) 2012年問題解決能力調査」について、この4月に発表された当初、いくつかニュースで見たように記憶している。記憶を辿ると日本ではゆとり教育から脱した成果が見られたかという文脈で、米国では米国の教育は呆れるほど低いといった文脈だったかと思う。 この手の調査は、通常アジア諸国、日本、韓国、シンガポールが上位に来るものなので、さして面白くもないものだと思っていた。強制的な詰め込み教育をすればテストの成績はあがるだろうが、それが人間に必要な学力と言えるかそもそも疑わしい、そう思っていたのである。どうも違うようだ。 そう思ったのは、19日付けのフィナンシャルタイムズ記事「問題解決に優れている国は批判的思考法を促進する(Countries that excel at problem-solving encourage critical thinking)
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