ヒトがヤクザになる理由について、前回の記事では家庭の問題を取り上げた。今回は学校が与える影響について見てみよう。犯罪社会学者の廣末登氏の解説によれば、従来、学問的には暴力団加入者の特徴として「学校社会への不適応」という問題が指摘されてきたという。具体的には、 (1)教育歴が短く、義務教育修了者か高校中退者が多い (2)学業成績が不振で、怠学歴が顕著 (3)学校内に親しい友人が少なく、学校生活への全体的な不適応が認められる の3つが特徴とされていた。しかし、(1)、(2)はともかく、(3)については実際の元組員らの話とは合致しないという。 「学校不適応生徒というと、そもそも学校に行かず、家に引きこもって大好きなお菓子を片手にゲーム機をいじっているようなイメージがあります。もし、そうであるとすれば、そうした人たちが青年になって、いきなり非行少年デビューして悪さをしたり、暴力団という社