ブックマーク / leoleonni.hatenablog.com (6)

  • 草の根で文化活動をやること/“やっていき”のこと - 屋上より

    引用が多く、スクラップブックのようにまとまりのない文ですが、ここ一年の活動を通して、文化をつくること・お客さんをつくることについて感じた雑記です。 = = = = = ・草の根で文化活動をやること 約一年まえのこと。わたしは小雨が降って肌寒い九月のある一日に、ミツメとシャムキャッツのライブを観ようと福岡まで来ていた。しかし当日は“猛烈な”強さの台風二四号が北上を続けており、アーティストたちが到着するかどうかは運次第というところ。ライブのチケットを買った誰もが気を揉んで、逐一SNSをチェックしていた。 告知を待つあいだ、わたしと友人はだらだらビールを飲む、サイゼリヤの間違い探しを全クリするなどの活動に勤しんでいたが、結局、大事をとったJALの飛行機は直前で引き返してしまい、わたしたちはボッティリチェリの画のまえで悲嘆に暮れた。前日の公演が札幌だったことも災いし、飛行機がダメとなると、新幹線だ

    草の根で文化活動をやること/“やっていき”のこと - 屋上より
  • 本は積んでおくだけで頭に入ってくるので読まなくておk - 屋上より

    * 序文・積ん読が頭に入ってくる話(1/4) 早稲田松竹でセルゲイ・パラジャーノフの映画を観た帰り道、身の回りでいちばんシネフィルの友人がこんな冗談を言っていた。「もし上映中に寝ちゃっても、まぶたをとおして光が透過してくるから実質観たのと同じだよ」と。そのとき、一年ほどまえの記憶がフラッシュバックした。 一年まえのわたしは京都の能楽堂にいた。知人の招待で能を観にいったのだ。能は美しいシーンと退屈なシーンが両方あり、うつうつらしながら観ていた。能楽師である知人はそれ以上で、上演時間の半分を寝て過ごした。そして終わってから後輩が挨拶にくると、「前半はまあまあだったが後半は緩んでたな」と、落ち着きはらって指導をした。居眠りの反省や決まりの悪さは微塵もなかった。横にいたわたしは彼を見ながら思った。マジでかっこいい。彼の態度は、怠慢さではなく、ある種の専門性、プロフェッショナルな感性のあらわれだと

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  • 戦争に反対する唯一の手段は……/文化的雪かき - 屋上より

    戦争に反対する唯一の手段は…… 戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである。 吉田健一『長崎』 一月の末、夜中にtwitterを見ていたら、「ちゃんと生活したい。キーマカレーおいしく作れました。」という投稿が流れてきた。なんとなくその発言のツリーを見ると、こんな会話が続いていた。 「おいしそう!ちゃんと料理しててえらい!」 「ありがとう。吉田健一の言葉、『戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである』を忘れないで暮らしていきたいです。*1」 この手の引用は、「戦争に反対する唯一の手段は……」が引っ張り出される典型的な文脈で、特に珍しいものではない。個人が慎ましく暮らす生活のワンシーンに寄り添うイメージだ。 だがわたしはもう何年も、この言葉の使われ方に違和感を覚え、SNSでも言及してきた。そろそろ違和感の正体をはっきり言語化

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  • マジのガチで誠実なフェミニズム入門(あるいはリベラル批判) - 屋上より

    * 記事を書いたきっかけ・序文(1/7) この記事を書くきっかけとなったのは、フォロワーのこんなツイートだった。 フェミニズムと、表現規制反対って同居出来んのかな?矛盾した主張になるのかな? 原文まま。目に入ってすぐ、「同居できるよ!当たり前だよ!」そう言いたくなったが、特に知識がない状態でSNSを見ていると、自称フェミニストの過激な発言ばかりがクローズアップされ、フェミニストのことを表現規制の代弁者だと勘違いしてしまうのかもしれない。それは完全に間違っているのだが……。 社会や政治、ジェンダー、エロ、アカデミア等々、インターネットでは日々新たな論争が起きている。その端々を見ていて毎回目に余るのが、自分の気に入らない陣営から一番レベルが低い発言を引っ張ってきて、「こんなとんでもないことを言ってるぞ、やっぱり敵は卑劣な集団だ」と宣伝し合うあの晒し合いである。当に意味がない。生産性がない。

    マジのガチで誠実なフェミニズム入門(あるいはリベラル批判) - 屋上より
  • 筋トレをして鬱になった話と、筋トレは虚しいという話 - 屋上より

    ・筋トレをしてになった話 わざわざこんな記事を書く気になったきっかけはこれ。 やっぱそうや!筋トレすればいいんですよ!筋トレすればドーパミンもエンドルフィンもノルアドレナリンも出ますし、「幸せホルモン」セロトニンと、テストステロンで精神的にも肉体的にも充実します!薬物なんて絶対に必要ありません!筋トレしましょう! — 西川貴教 (@TMR15) March 13, 2019 mdpr.jp 常識的に考えれば、薬物やアルコールなどアディクトの影響下にある人について、「筋トレすれば大丈夫」と冗談めかして言うことは無理解で無神経だと思うが、圧倒的に支持されているようなのでモヤモヤした。精神的に悩んでいる、という人に、「ジム行きなよ」と返す、あの何もわかっていない人たちと同じ精神性を感じる。 だいたい、覚せい剤で大変だった頃の清原なんて筋肉隆々なのに悲壮感がすごかったし、イニエスタでもうつ病にな

    筋トレをして鬱になった話と、筋トレは虚しいという話 - 屋上より
  • やっぱ「邦ロック」聴いても音楽聴いたことにならなくない?という話──サマソニにおける差別的な言動を通して - 屋上より

    2022年のサマソニ *1 2022年のサマソニについて。コロナ禍で、実に3年ぶりの開催だった。 出演者の男女比が半々でないフェスには出ない、と明言したThe 1975がヘッドライナーとして世界初公開の新曲を披露した。リナ・サワヤマがLGBTQの権利に言及し、素晴らしいパフォーマンスを見せた。個人的にはSt. Vincentで泣いた。 一方で、一部の日人アーティストによる差別的な発言が話題となった。 King Gnuのステージでは、Måneskinのベーシスト、ヴィクトリアのニップレス姿をネタにした。マキシマム・ザ・ホルモンのステージでは、リンダリンダズのカタコトの日語MCの真似をした。いやはや……。こういうことがあるとほんとうに暗澹たる気持ちになる。 King Gnu、マキシマムザホルモンという両バンドは、世代も音楽的な参照点もまったく異なるが、いわゆる「邦ロック」の売れっ子として

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