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  • 『地蔵和讃』 - アマチュア作家の成り上がり執筆録

    これはこの世の事ならず 死出の山路の裾野なる 賽の河原の物語 聞くにつけても哀れなり 二つ三つや四つ五つ 十にも足らぬみどり子が 賽の河原に集まりて 父上恋し母恋し 恋し恋しと泣く声は この世の声とはこと変わり 悲しさ骨身を通すなり かのみどり子の所作として 河原の石を取り集め これにて廻向えこうの塔を組む 一重組んでは父のため 二重組んでは母のため 三重組んでは故郷の 兄弟我身と廻向して 昼は一人で遊べども 陽も入相いりあいのその頃は 地獄の鬼が現れて やれ汝等はなにをする 娑婆に残りし父母は 追善作善ついぜんさぜんの勤めなく ただ明け暮れの嘆きには むごや悲しや不憫やと 親の嘆きは汝等が 苦患くげんを受くる種となる 我を恨むることなかれ 黒鉄の棒を差し延べて 積みたる塔を押し崩す その時能化のうげの地蔵尊 ゆるぎ出でさせ給ひつつ 汝等命短くて 冥土の旅に来るなり 娑婆と冥土は程遠し 我

    『地蔵和讃』 - アマチュア作家の成り上がり執筆録
    tedd707
    tedd707 2024/02/19
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