汚染の原因は以前、操業していたガス工場 東京都の小池百合子知事が、築地市場の豊洲への移転延期を正式に表明した。延期の理由は、安全性が確認されていないこと、費用の検証が不十分なこと、情報公開が不十分であることの3つである。特に問題となっているのは、環境問題なのだが、実際のところどのくらい深刻なのだろうか。 豊洲新市場の予定地はもともと東京ガスのガス製造工場があった場所である。1954年から埋め立てがスタートし、1956~1988年まで都市ガスの製造が行われていた。現在の都市ガスはLNG(液化天然ガス)を使用しているので、製造過程において汚染物質が出ることはない。しかし、当時の都市ガスは石炭から製造しており、その製造過程では多くの汚染物質が関係してくる。 石炭からガスを取り出すには、まず原料となる石炭を蒸し焼きにして(乾留)、ガス成分を揮発化させる必要がある。この段階でタールが副産物として出て