アニメ制作現場の日常と働き方に迫る フリーランサーのアニメーターたちは、なぜ集まって働いているのか。アニメ制作の現場はどのように維持されているのか。あるアニメ制作スタジオでの綿密な参与観察を通して、労働の実態と「当事者の論理」に迫る 本書の議論が示唆しているのは,ある労働現象を搾取として批判したいのならばなおさら,その職場において成立している秩序を注意深く詳細に至るまで捉えていく必要があるという点である。そうした議論を経ない批判は,労働現場の当事者たちを「判断能力喪失者」(Garfinkel 1967)として捉えてしまうことになりかねない。 職場の秩序を作るのは研究者ではなく,まずはその職場に属している労働者たちである。そこで労働者が取り組んでいる配慮や努力を考慮せずに批判しても,それはそもそも当事者にとって意味をもたない批判となり,結果として空振りに終わってしまう可能性がある。(「終章」
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