独立行政法人の理化学研究所(理研)は、理論ピーク性能が1ペタFLOPS(1秒間に1000兆回の演算を行う能力)のスーパー・コンピュータ「MDGRAPE-3」を開発した。分子が引き合う力を解析する分子動力学用のために開発したスパコン。用途を限定した専用機であるものの、汎用スパコンの世界ランキング「TOP500」の最高速機に対し約3倍もの性能を実現している。開発の中心人物である理研 ゲノム科学総合研究センター システム情報生物学研究グループ高速分子シミュレーション研究チームの泰地真弘人チームリーダー(写真1)に、同スパコンの実現技術と具体的な活用方法について聞いた(聞き手は市嶋洋平) −−MDGRAPE-3を開発した経緯について教えてほしい。 MDGRAPE-3は第3世代にあたるシステムだ。第1世代は天文学用の計算機として1995年に開発した。 第2世代は天文学から分子動力学に転換し、理研で開