日本で23歳の大学院生というのは、それなりに「大人」として扱われるし、大学でも学部生と違って「研究者見習い」として責任を持っている立場でもあるけれども、経済状況は学部生と大して変わらず、モラトリアムの中にいるような、それでいて「社会人」として自活している同世代と同じように「大人」にならなければと自分で自分にハッパをかけるような、ふわふわとした立場だ。 とにかく経済的な基盤がなく生活のルーティーンもあまりないので(生活を送る上での最低限の家事をしている程度だ)、現実的に所帯を持ったり子どもを持ったりという選択をすることは難しい。何よりも学業に集中したいので、とりあえずひとりでいるのが一番気が楽なのかもしれないとも思う。