こうしてさまざまな当事者を抱えつつ、静かに広がる「腐」の世界。当人たちがひそやかに趣味を堪能するだけならば、世の大勢に影響はないはずだが、少し気になる。いったい、腐女子の台頭にはどんな意味があるのだろう。 腐女子ウオッチャーの杉浦さんは、女性の消費行動の変化を読み取ってみせる。 「バブル世代までの女性は、ハンドバッグを男性に買ってもらうような文化。でも、団塊ジュニア世代以降は自腹消費です。自分で稼ぎ、好きなモノに好きなだけお金を使う最初の世代といってもいい。腐女子が広がったのも、彼女たちがそれだけお金を落としたからだと思います」 一方、前出の深澤さんはこうだ。「オタクやマニアは長らく男性だけの世界だと思い込まれていたが、ようやく女性もそのマニア性を明らかにできるようになったということです。やっと男性と同じように、モテたりウケたりには1ミクロンの役にも立たない趣味にうつつを抜かせるようになっ