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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (95)

  • 競争に負けるミジンコは休眠卵で生き残る、長期の共存戦略が判明

    山形県山辺町の湖沼、「畑谷大沼」で遺伝子型が異なるミジンコの2集団が共存しているのは、飼育下では負けて絶滅する側の集団が休眠卵を早めに産むことで長期に生き残る戦略をとっているためと東北大学などのグループが明らかにした。9年にわたる観測で休眠卵が不適な環境を乗り越えるだけでなく、競争による絶滅の回避や共存にも重要であることがわかった。今後その生態的意義や進化、分子機構の解明が期待されるとしている。 山形県の畑谷大沼において共存しているミジンコのJPN1(左)とJPN2。見た目の違いはほぼ無いが、遺伝子型で区別できる(宇都宮大学の丸岡奈津美博士研究員提供) ミジンコ類は湖沼に生息する代表的な動物プランクトン。日にいるミジンコは北米大陸からの侵入種で、オスとメスが交尾して子どもができることはなく、単為生殖によってクローンを生産し続ける。 水温20度下では約3日のペースで全く同じ遺伝子をもつ卵を

    競争に負けるミジンコは休眠卵で生き残る、長期の共存戦略が判明
  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • 火の玉や「妖精の輪」など、湿地の怪奇現象を科学で解明

    不気味な火の玉の正体 湿地にはもう一つ、不気味な言い伝えのもととなった超自然現象がある。夜の暗闇のなか、ぼうっと浮かび上がる火の玉を見たという話だ。 英国では「ウィル・オ・ウィスプ(ウィロー・ザ・ウィスプ)」「ジャック・オー・ランタン」などと呼ばれ、火の玉が夜道を行く旅人を惑わし、それに誘われて沼に引きずり込まれた者は二度と戻れなくなると恐れられた。今では目撃談がほとんど聞かれなくなったが、J・R・R・トールキンの『指輪物語』に描かれている死の沼やハロウィンに飾るカボチャなどの現代文化に、その名残を見ることができる。 湿地の生態系は、時折火の玉のようなかすかな光を発生させることがある。科学者たちは、水面から沸き上がったホスフィン(リン化水素)ガスによるものではないかと考えている。(PHOTOGRAPH BY PAUL HART)

    火の玉や「妖精の輪」など、湿地の怪奇現象を科学で解明
  • 生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説

    生命の最初の兆候は、約35億年前までに出現した。科学者たちは、初期の生命は落雷によって形成されたか、深海の噴出孔で誕生したのではないかと考えている。(ILLUSTRATION BY GREGOIRE CIRADE, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 約46億年前に地球ができてから数億年の間、地表はほぼ確実に高温で、彗星や小惑星の衝突も激しかったため、いかなる生命体も生息できない環境にあった。だが、約10億年後には、生命が誕生しただけでなく、微生物マット(微生物がマット状にかたまって増殖した状態)の化石という形で痕跡を残すまでになっていた。(参考記事:「40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった」) その間に一体何が起こったのか? 5億年かそこらの間に、生命はどのようにして無生物から誕生したのだろうか。これまでに提唱された3つの主な理論を紹介しよう。 1. 大気から雷によって生ま

    生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説
  • 「チョコは体にいい」は本当か、“カカオ分”は当てにならない

    フランス、バイヨンヌにあるアトリエ・デュ・ショコラのチョコレート。(PHOTOGRAPH BY BRIAN FINKE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 古代マヤ人は、通貨に使うほどカカオ豆が大好きだった。また、カカオは健康に良いと信じていた。今でも、カカオ豆から作られたチョコレートは健康に良いと、多くの人が考えている。(参考記事:「チョコレートの起源、明らかになった2つの新事実」) 実際、カカオにはポリフェノールの一種であるフラバノールなど、健康的とされる植物由来の成分が豊富に含まれている。 「カカオ豆の生物活性成分について調べた研究のほとんどが、フラバノールを摂取すればするほど血圧やコレステロール値など心臓病の発症に関連するメカニズムに良い影響が与えられることを示しています」と話すのは、米ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院とブリガム・アンド・ウィメンズ病院に

    「チョコは体にいい」は本当か、“カカオ分”は当てにならない
  • カマキリを操るハリガネムシ、遺伝子に秘められた衝撃の事実が明らかに

    三品達平さん(九州大学、理化学研究所:研究当時)と佐藤拓哉さん(京都大学)らの研究チームは、カマキリを操って水に飛び込ませる寄生生物ハリガネムシの遺伝子に隠された秘密の一端を解明し、学術誌「Current Biology」に論文を発表しました。ハリガネムシは、なんと多細胞生物の間ではまれな「遺伝子水平伝播」によってカマキリから遺伝子を手に入れたと言います。今回の発見の「ここがスゴイ!」について、研究者自身に解説していただきます。(編集部) 寄生生物は、今日地球上で知られている生物種のおよそ40%を占めており、自然界でもっとも成功する生き方を身に付けた生物ともいえる。それら寄生生物の中には、自らの利益になるように、寄生相手(宿主)の形や行動を変えてしまう種がたくさんいる。例えば、今回の主役のハリガネムシ。ハリガネムシは、ユスリカやカゲロウといった水生昆虫から、カマキリやコオロギなどの陸生昆虫

    カマキリを操るハリガネムシ、遺伝子に秘められた衝撃の事実が明らかに
  • 「スノーボールアース」、小惑星の衝突が引き金だった、新説

    6億5000万年前、雪と氷が惑星表面と海の大半を覆っていた時代の地球の復元図。新たな研究は、この「スノーボール」状態は小惑星によって引き起こされたのではないかと提案している。(ILLUSTRATION BY SPENCER SUTTON, SCIENCE PHOTO LIBRARY) もし何億年も前の時代にタイムトラベルしたなら、地球はまるで映画『スター・ウォーズ』に出てくる惑星ホスのような姿をしていることだろう。凍りつくように寒く、陸地と海をほぼ隙間なく覆う果てしない氷の世界を、乾いた空気が吹き抜けていくのだ。 「スノーボールアース」として知られるこうした全地球規模の凍結状態は、少なくとも2回、どちらも6億年以上前に発生している。世界が巨大な氷の球に変わってしまうなど、何か重大な問題が起こっていたに違いない。しかしその問題とは、一体なんだろうか? 異常な火山活動から超大陸の破壊までさまざ

    「スノーボールアース」、小惑星の衝突が引き金だった、新説
  • 史上初めて撮影されたブラックホール、1年後の姿でわかったこと

    史上初めて撮影に成功し注目されたブラックホールを1年後、改めて撮影したところ、大きさは変わらないが、周囲でリング状に輝くガスの明るい部分の位置が移動していた。こうした観測結果を新潟大学、国立天文台、台湾中央研究院などの国際研究グループが発表した。一般相対性理論の説明通りで、またブラックホールや周辺の現象の理解を深める成果となった。 2017年に史上初めて撮影に成功した、楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホール(左)と、新たに発表された翌年の姿(EHTコラボレーション提供) ブラックホールの初撮影は2019年に発表した。日が主導する南米チリのアルマ望遠鏡など世界6カ所、計8基(当時)の電波望遠鏡を連携させ、仮想的に直径1万キロに匹敵する高性能の望遠鏡「イベント・ホライズン・テレスコープ(事象の地平面の望遠鏡、EHT)」を構築。国際研究グループ「EHTコラボレーション」として地球から55

    史上初めて撮影されたブラックホール、1年後の姿でわかったこと
  • 土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター

    NASAの土星探査機カッシーニが、土星の衛星ミマスにフライバイし最接近してとらえた画像。巨大なハーシェル・クレーターがあるミマスは、映画『スター・ウォーズ』の宇宙要塞「デス・スター」に似ている。このミマスの地下全体に海がある証拠が示された。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE) 土星の衛星ミマスの地下全体に海がある証拠が発表され、天文学者たちを驚かせている。2004年から2017年にかけて土星探査機カッシーニが行った調査を新たに分析したところ、軌道周回中の「秤動(ひょうどう)」と呼ばれる揺れが、地殻の下が液体の海で占められているためであることが示された。論文は2月7日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 地下海の存在はすでにいくつかの太陽系の天体でも確認されているが、ミマスもそのメンバーに加わることになる。また、

    土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター
  • 辰年に新種発見 火は吐かないが現実にいる世界のドラゴンたち

    コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)は先端が分かれた舌で獲物の「においを嗅ぐ」。世界で最も有名な実在するドラゴンの一種だ。(PHOTOGRAPH BY STEFANO UNTERTHINER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2024年は甲辰(きのえたつ)だ。 辰(ドラゴン)は十二支で唯一、伝説上の生き物だ。甲は十干のひとつで、10の要素すべてが五行の元素(木、火、土、金、水)と関連づけられている。前回の辰年は2012年だった。 干支のドラゴンは実在しないかもしれない。ただし、よく似た特徴を持つ動物は現実に存在する。 新種の「小型ドラゴン」 2024年1月、インド南部の西ガーツ山脈でキタカンガルートカゲ(アガスティアガマ属)の新種アガスティアガマ・エッジ(Agasthyagama edge)が発見された。体長は10センチメートル余りしかなく、科学者たちは「小型ドラゴン」と

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  • なぜ虫は光に群がるのか、長年の謎をついに解明、最新研究

    昆虫が人工光の周囲を飛び回る説明として、多くの理論が提唱されている。この合成写真はフラッシュと長時間露光を使って撮影したもの。コスタリカの昆虫たちが紫外線の周りをどのように飛んでいるかがわかる。(PHOTOGRAPH BY SAM FABIAN) 「飛んで火に入る夏の虫」という言葉を聞いたことがあるだろう。そして、夜のたき火やバーベキューでそのような光景を見たことがあるのではないだろうか。しかし、この格言は正しくないかもしれない。1月30日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された最新の研究によれば、虫が明るい場所に向かって飛ぶのは、光に引き寄せられるのではなく、光の方向を「上」と勘違いしているせいだった。 単に光に引き寄せられているとしたら、光に直行するはずだ。しかし、人工光を使用した一連の実験で、多くの昆虫が飛行中、体の上側を光に向けていることがわかった。

    なぜ虫は光に群がるのか、長年の謎をついに解明、最新研究
  • 底引き網漁が最大年3億7000万トンのCO2を排出、最新報告

    フランスの沿岸部に近い北海で、底引き網を引き揚げる漁船。新たな研究によって、底引き網漁は破壊的な漁法であるばかりでなく、二酸化炭素の排出量も多いことがわかった。(PHOTOGRAPH BY SYLVAIN LEFEVRE, GETTY IMAGES) 底引き網漁とは、海底で重い網を引きずる漁法で、海の生きものや海洋生態系に著しい悪影響を及ぼすことがわかっている。にもかかわらず、世界の漁獲量の4分の1以上は、まだこの漁法による。さらに、1月18日付けで学術誌「Frontiers in Marine Science」で発表された画期的な論文によると、底引き網漁によって大気中に排出される二酸化炭素の量は、最大で毎年3億7000万トンになるという。底引き網漁は、海洋生物だけでなく、気候にも悪影響を与えているということだ。(参考記事:「深海の底引き網漁で海底に壊滅的影響か」) 海底の堆積物は、究極の

    底引き網漁が最大年3億7000万トンのCO2を排出、最新報告
  • 命に関わる激しいつわり「妊娠悪阻」、ついに原因解明、治療に光

    激しい吐き気と嘔吐が続く妊娠悪阻は、妊婦の約0.3~3%に見られる。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) つわりの症状が異常なほど重くなり、激しい吐き気と嘔吐が続く「妊娠悪阻(おそ)」は、妊婦を衰弱させ、命にかかわることもある疾患であり、妊婦の約0.3~3%が発症する。その原因や仕組みはよくわかっていなかったが、米南カリフォルニア大学ケック医学大学院で女性健康科学を研究するマレーナ・フェイゾ氏らは、妊娠悪阻に「GDF15」というホルモンがどのように関わっているかを示す画期的な論文を2023年12月13日付けで学術誌「ネイチャー」に発表した。 フェイゾ氏は、博士号を取得したばかりの1996年に第1子を妊娠した。妊娠中はひどい吐き気と嘔吐に悩まされ、出産までに2回も救急搬送されたという。1999年に第2子を妊娠したときの症

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    temimet
    temimet 2024/01/26
  • なぜイヌにはヒト以上に癒されるのか、「会話」は特に有益、研究

    ロシアのベリョゾボの歩道で、氷点下の中、コートの中にイヌを入れて歩く男性。ストレスの多い状況下では、ヒトよりもイヌのほうが助けになることが多くの研究で示されてきている。(PHOTOGRAPH BY GERD LUDWIG, NAT GEO IMAGE COLLECTION) プレッシャーがかかっているとき、パートナーや友人といるよりも、愛犬といるほうがリラックスできると感じたことがあるなら、それはあなただけではない。 イヌを飼っている人がストレスの多い状況に直面したとき、飼いイヌがそばにいると、飼い主の体が生理的に反応しにくくなる傾向があることが、多くの研究によって明らかになっている。近年、飼いイヌが癒しを与えたり、飼い主のすり減った神経を穏やかにしてくれたり、良い聞き手になったり、その他の貴重なサポートを提供したりする多くの方法が複数の研究で示されている。 「私たちの友人であるイヌは、予

    なぜイヌにはヒト以上に癒されるのか、「会話」は特に有益、研究
  • 太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む

    米SLAC国立加速器研究所で、完成の最終段階に入ったベラ・C・ルービン天文台のカメラ。189個のセンサーを持ち、32億画素の写真を撮影できる世界最大のデジタルカメラだ。(PHOTOGRAPH BY CHRISTIE HEMM KLOK) 地球上から無数の望遠鏡が夜空を観測しているにもかかわらず、地球の周辺にはいまだに姿がとらえられていない未知の天体が数多く存在している。 しかし間もなく、それが変わろうとしている。南米チリに建設中のベラ・C・ルービン天文台(VRO)は、これまで知られていなかった太陽系の大部分を明らかにし、天文学に進歩と革命をもたらすことが期待されている。驚異のエンジニアリングとソフトウェア、科学的な創意工夫から生まれたVROの目的は一つ。夜空全体を丸ごと記録することだ。 確認される小惑星の数は、VROの運用が開始された直後に急増すると予測されている。1801年に最初の小惑星

    太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む
  • 「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖

    ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがるキブ湖。そのユニークな地質的特徴により、湖深くに膨大な量の二酸化炭素とメタンガスが蓄積しており、湖岸に住む数百万人の命を危険にさらしている。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND, NAT GEO IMAGE COLLECTION) ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがる緑豊かな渓谷にあるキブ湖は、見事な崖に囲まれている。湖上では漁師たちが小舟を浮かべ、歌に合わせて櫂(かい)を揃えて漕ぎながら、その日の料を捕っている。だが、湖の深部は、そんなのどかさとは無縁の世界だ。 キブ湖は地質学的に特異な多層湖で、深い層は蓄積した二酸化炭素とメタンで飽和状態にある。このような湖は世界に3つしかない。残りの2つはカメルーンのニオス湖とマヌン湖で、どちらも過去50年の間に湖水爆発を起こして致死的なガスの雲を噴き上げ、人間や動物を窒息死させた。 1986

    「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖
  • 太陽の約100億倍明るい宇宙の謎の青い閃光、正体に迫る新発見

    宇宙のかなたで繰り返し発生している明るい閃光を描いた図。ブラックホールが円盤から物質を取り込み、強力なジェットを噴射している。(IMAGE COURTESY ROBERT L. HURT/CALTECH/IPAC) 2022年9月、天文学者たちは口をポカンと開けて、米国カリフォルニア州南部の望遠鏡が捉えたまぶしい青の閃光(せんこう)を眺めていた。地球から44億光年離れた銀河で、太陽の約100億倍も明るい大爆発が起きたのだ。 さまざまな望遠鏡をこのエリアに向けて爆発を観測したところ、この現象が「LFBOT(Luminous Fast Blue Optical Transient)」という爆発に似ていることに研究者たちは気付いた。3カ月後、研究者たちは再び夜空の同じ位置で、3分間の露光を5回繰り返した。その画像を確認してみると、ごく短時間のまぶしい光が再び発生していた。 「私たちは画像を見つめ

    太陽の約100億倍明るい宇宙の謎の青い閃光、正体に迫る新発見
  • 人間に蜂蜜のありか教える鳥、地元の鳥寄せ声を聞き分けると判明

    モザンビークでノドグロミツオシエを放す研究者。この鳥は東アフリカでは野生のミツバチの巣から蜂蜜を集める人間と相利共生の関係を築いており、野生動物と人間が協力し合う数少ない事例のひとつとされている。(PHOTOGRAPH BY THOMAS PESCHAK) 野生のミツバチの蜂蜜を手に入れるのはたいへんだ。巣は木の枝やうろに隠されていてなかなか見つからないし、ミツバチたちは巣を守るために攻撃してくる。しかし、アフリカの蜂蜜ハンターたちは、ノドグロミツオシエという小さな茶色い鳥の力を借りて、ミツバチの巣を見つけている。ミツオシエはハンターをミツバチの巣に案内し、ハンターは煙や道具を使ってミツバチの攻撃を抑える。こうしてハンターは蜂蜜を手にし、ミツオシエは主である蜜蝋にありつくことができる。(参考記事:「野鳥と人が蜂蜜めぐり「共生」、科学的に解明」) 科学者たちは長年、人間とノドグロミツオシエ

    人間に蜂蜜のありか教える鳥、地元の鳥寄せ声を聞き分けると判明
  • 加齢に伴う炎症を抑えるには、体の痛みの他がんや認知症とも関連

    けがが治るには炎症が起きる必要があるが、加齢に伴って生じる慢性的な炎症は「炎症老化」と呼ばれている。(PHOTOGRAPH BY DRAGONIMAGES, GETTY IMAGES) 年齢を重ねると誰でも、関節が痛んだり、傷の治りが遅くなったり、がんや心臓病、認知症、関節炎などのリスクが高まったりする。多くの研究から、こうした変化は、加齢とともに体内で炎症に関わる分子が増えるせいで起きていることが明らかになっている。加齢と炎症と病気との関連はよく知られており、「炎症老化(inflammaging)」と呼ばれている。 研究者たちは今、一生の間に炎症のプロセスがどのように変化し、何がその変化を誘発するのか、どうすればこれを防げるのかを明らかにしようとしている。一般の人々の間でも、加齢に伴う炎症を減らすことへの関心が高まってきている。 ただし、生活の質を維持するためには適度な炎症も大切だと、米

    加齢に伴う炎症を抑えるには、体の痛みの他がんや認知症とも関連
  • 世界最古の鞍を発見、定説覆す女性所有者に驚き、約2700年前

    中国の洋海(ヤンハイ)墓地から出土したおよそ2700年前の鞍。革を縫い合わせたものに藁や動物の毛が詰められている。精工な作りだが高価なものではなく、地域の牧畜民に日常的に使われていた。(PATRICK WERTMANN) 古ければおよそ2700年前、中国北西部の乾燥地帯で暮らしていたその女性は、まさに馬に乗ろうという装いで、鞍(くら)と一緒に埋葬されていた。獣皮製の外套をまとい、羊毛のズボンと革製の長を履いていた。 中国新疆ウイグル自治区のトルファン市近郊にある洋海(ヤンハイ)墓地で出土したこの鞍は、紀元前700年から紀元前400年ものと推定される。これまで発見された鞍の中では最も古く、誰が何の目的で鞍を使っていたかというこれまでの定説に疑問符が付けられた。(参考記事:「2500年前の墓から完全な大麻草13を発見」) 発見は「驚き」だったと、スイス、チューリッヒ大学の研究者で、学術誌「

    世界最古の鞍を発見、定説覆す女性所有者に驚き、約2700年前