正直者も嘘吐きも、こう言った方が都合が良かろうと自分なりに思ったことしか口にしていないという点で大した違いはない。自分にとって望ましい、こうあるべきだと思ったことを手を替え品を替えどうお伝えしてやろうか言葉にしてやろうかどう態度にしてやろうかどう思い通りの結論に納得させてやろうかと画策した結果、自分が一番適切だと思った言葉を吐いているという点でやってることは全く同じなのだ。真正面から相手をねじ伏せようとする戦士だって、相手を翻弄しようとする魔術師だって、「目の前の相手を動かなくなるまで痛めつけたい」と思って自分にとって最善だと思うやり方を突き通してるだけの話で、「コソコソと小賢しいマネをする戦い方は卑怯だ」と戦士が魔術師を罵倒したところで「俺が叩きのめやすいやり方以外は俺に都合が悪いからやめろ」と言ってるだけに過ぎない。そして、善の心を持つ戦士も、悪の心を持つ戦士も、きっと敵対する魔術師を