パノラマ座談会「古い焼きものに想いを寄せて」 前編 1/4 森 由美 (陶磁研究家、戸栗美術館・学芸顧問) × 浜野マユミ (陶芸家) × 吉永サダム (陶芸家) × 矢野直人 (陶芸家) 美大の日本画学科を卒業後、窯業産地・有田で一から陶芸を学んだという浜野マユミさん。ある時、美術館所蔵の古い伊万里焼を実際に手に取り、その軽さと何とも言えない触感に心を奪われたそうだ。以来、その器がつくられた当時の技法「糸切成形」に着目し、久しく用いられることのなかったこの技法によるものづくりに取り組んでいる。現在、戸栗美術館で開催中の作品展では、技法のみならず陶石や呉須などの材料にもこだわって作陶した、渾身の器が並ぶ。浜野さんのものづくりにかける想い、その背景について、情熱を寄せ合う陶芸家仲間の吉永サダムさんと矢野直人さんを交えて、陶磁研究家で戸栗美術館学芸顧問の森由美さんとともにパノラマ座談会を開催。