【台北=村上太輝夫】「髪のない人、薄い人には渡航のためのマルチビザ(数次査証)を出さない」という通知を、台湾向けに中国当局が出していたことが今月、台湾メディアの報道で分かった。 ビザ取得を仲介する台湾の大手旅行会社、東南旅行社によると、正式な文書はなく、今年1月末に中国福建省アモイ市公安局が電話で知らせてきた。かつらなどで変装しやすいことを警戒したためではないかという説がある。 その後、通知は取り消されたが、十分浸透しておらず、一部の旅行会社のウェブサイトはマルチビザについて「髪がない人、髪が薄い人は受理しない」と掲げたままだ。 中国大陸との間を往復する台湾ビジネスマンのため、中国側は、1年間何度も出入りできるマルチビザを出している。台湾のほかの旅行会社の関係者によると、以前から、髪のない人は「外見が風変わり」と見なされ、ビザがやや出にくい傾向があったが、単に髪が薄いだけで問題にされ