(2011年9月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 先週末にかけて開催された世界銀行と国際通貨基金(IMF)の年次総会は、恐怖におののく人々と怒りを覚えた人々の集会となった。 2007年8月に世界を襲った金融危機は新しい局面、それもいくつかの重要な点でより危険な局面に入っている。銀行と弱い国との間には一種の悪循環が生じつつあり、ユーロ圏と世界経済に悲惨な影響を及ぼす恐れがある。ユーロ圏は絶海の孤島ではないからだ。 このプロセスで特に恐ろしいのは、弱い国はこの難局に独力で対処できず、その一方でユーロ圏には責任者がいないということだ。ユーロ圏には、この危機に対応する能力がないのかもしれない。 どんな危険が生じているかは、IMFが先日公表した国際金融安定性報告書にまとめられている。この報告書は明快で説得力があり、勇敢でもある。サーベイランス(政策監視)としては最上の出来だ。 危険な新局面と