私が純文学を好かない理由はハッキリしないのだけれど、とりあえず、(私にとって)どうでもいい描写の中に物語を回転させる描写が埋もれてしまっているようなのは困る。私のように読むのが遅い人は、じっくり読んでいるわけではなくて嫌でも時間がかかってしまうのであって、3ページ前に何が書かれていたかを十分に覚えていられない。目先の数行だけで脳の処理能力が限界になってしまうので、だから読むのが遅いのだということもできる。 そういうわけで、物語の展開を馬鹿にもわかるように繰り返し描写してくれるエンターテインメント小説の方が好きだというか、そういうのしか読めないというか。純文学は、読み終わってから「で、どういう話だったっけ?」と頭カラッポになってしまうことが多くて困る。 ひとつの対応策として、純文学に限っては、私はなるべく先に粗筋を読むことにしている(註:実際問題としては、よほど有名な作品以外は粗筋を見つけら