映画化にあわせて出版された『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』(小学館集英社プロダクション)。面白いです。 何しろ、アメコミのスーパー・コスチューム・ヒーローは、悩んでいる。キャプテン・アメリカも、もう初っ端から悩んでいて、荒れている。作品の最初のほうで、ライバルの怪人が殺され、その陰謀を巡って話は進むのだが、そこに第二次大戦でのナチとの戦い、ソ連との関係、冷戦時代のKGBとのからみなど、アメコミ・ヒーローが辿ってきた時代が織り成され、暗くて重い話が続く。 キャプテン・アメリカを助けて活躍した少年のその後の話などには、今のアメリカが抱える帰還兵士の問題も投影されているように見える。二次大戦や冷戦の記憶は、たびたびモノクロのイメージで挟み込まれ、いろんな意味で興味深いコミックである。お話そのものは面白く、読み出すとどんどん読んでしまう。 最後の決戦には、ファルコンとアイアンマンが