自分の書いた詞の中で、実在する地名として登場するのは“新宿”だけかもしれない。十代の頃から何かと因縁のある街だ。二度と歩きたくないような通りがいくつかある。そしてその通りを平然と歩くことで、わたしは何かを征服したような気になっている。 昨夜、DC/PRGのライヴを観てきた。敬愛なる菊地成孔さん(わたしは、彼と、絶対に一緒に仕事をするべきだと思っている。がんばる)率いるビックバンド。毎回、新宿歌舞伎町のライヴハウスで観ている。ポリリズムと変拍子の渦に飲まれ、踊ることしか出来なくなる恍惚の時間。訳がわからなくなることを愛する瞬間。自分を解放して、安心してやばくなれる無二の居場所。そこには易しさなんてなくて、完膚なきまでに叩きのめしてくれる容赦ない優しさだけがある。完璧にやってくれること、それはサービス精神だし、誠実さだし、つまりは愛だと思う。一晩明けた今でもまだベースのうねりが感触として身体に
![ハナエ『新宿にて』](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6dcd14af3f84dd56426ca4072afaa3d98e143467/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstat.ameba.jp%2Fuser_images%2F20170125%2F19%2Fhanae-officialblog%2F2e%2Fea%2Fj%2Fo0480064113853563999.jpg)