セックスをしてお金をもらったことがある。分別がつかないほどに若くもなかったし、実際にそういう状況になったら死にたくなるほど絶望するのではないかと思っていたけど、全く逆だった。自分のような女でもお金をもらう価値があるのだと知って、解放されたのだ。それまで私を雁字搦めにしていた、劣等感や、私みたいな醜い女など死ねばいいという卑屈で自虐的な感情や、自分を苦しめた男という存在への憎しみが消えはせずとも薄まった。セックスでお金をもらうことにうしろめたさや罪悪感は確かにあったけれど、それ以上に、自分で自分を縛りつけていた鎖から解き放たれた。 物語の中では娼婦は可哀想で無力な存在として描かれることが多い。たいてい娼婦を主人公にした物語は悲劇だ。確かにそういう女性もいるだろうし、悲惨な物語もあるだろう。けれど、その一部分だけで娼婦について語られることに、いつも違和感を感じ苛立ちもする。 長年、風俗嬢たちと