新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者に対し、抗ウイルス薬の「パクスロビド」(一般名ニルマトレルビル・リトナビル、日本での商品名パキロビッドパック)を使うことで、入院率と死亡率を下げられるのに加え、さらに後遺症にかかる可能性も減らせる。こんな研究結果を、米VAセントルイス・ヘルスケアシステムのZiyad Al-Aly氏たちが発表した。ただし、まだ査読前(他の専門家にチェックを受ける前)の段階だ。内容は、査読前の論文を集めて掲載しているウェブサイト「medRxiv」に11月5日に発表された。Al-Aly氏は、「この薬が、深刻な後遺症問題に対処する重要な手段となる可能性がある」と述べている。 パクスロビドは飲み薬で、新しい抗ウイルス薬のニルマトレルビルと、既存の抗HIV(エイズウイルス)薬であるリトナビルの合剤だ。過去の臨床試験で、新型コロナ患者が急性期に飲むと、重症化する可能性を