2.1. 運動からの構造復元 運動からの構造復元は、2段階の過程、すなわち、はじめに2次元での方向と速度の検出過程(2次元の速度検出過程)があり、次いでその速度検出にもとづいて3次元構造の復元の過程が続くと考えられている。このボトム?アップのモデルに対して、この両過程の相互作用の存在も仮定される。Mukai & Watanabe( 21)は、図1に示されたような運動刺激パターンを用いて、2次元の速度検出過程と3次元の構造復元過程との相互作用の存在を検討した。図1-(a)では、両端の刺激要素(小さな矩形)が他の要素より細くし、奥行手がかり要因を導入してあるのに対して、図1-(b)その種の奥行手がかり要因は存在しない。この刺激パターンの運動速度を変化させ、奥行のある構造の出現率、奥行のない構造の出現率、一方向への運動出現率、両方向への反復運動の出現率を測定した。その結果、奥行手がかりを付加した