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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (8)

  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

    差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお
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    terazzo 2024/04/24
  • 逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお

    実際に逮捕・起訴された人の事例をいろいろ読んでみると、普通に生活・仕事していてもされる時はされるんだと思う。 痴漢冤罪や荷物すり替えで違法薬物の運び屋にされるなどの巻き込まれケースだったり、もともとルール(法律・運用)が曖昧なグレーゾーンが拡大解釈で突然咎められたり、捜査機関の描いた架空のストーリーの登場人物にされたり、人は犯罪の意識が希薄だったり、色々ある。 逮捕・起訴されると人生に大きなダメージを被る。会社なんかで災害を想定してBCP(事業継続計画)を事前に立てたりするけど、それと同じような感じで、万が一逮捕された場合でも「こうなる」をそこそこ認識して「こうする」を事前に決めておければ役に立つかもしれないと思うようになった。 概要 弁護士選び 逮捕~裁判の流れ 逮捕 逮捕後 留置場・拘置所 取調べ・調書 捜索差押 勾留請求・勾留質問 裁判 世論形成・名誉回復 参考事例・参考文献 概要

    逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお
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    terazzo 2022/02/09
  • 外国人を労働力の機械にするシステム - やしお

    NHKスペシャルの『夢をつかみにきたけれど ルポ・外国人労働者150万人時代』(7/13放送)を見て、こんな風に人の人生と労働力を掠め取る仕組みなんだなと思った。留学生・技能実習生の問題は色んなところで散々指摘されて今さらのような気もするけれど、現在進行形の話でもあるし(今年の4月に入管法が改正されて拡大している)、自分が忘れないように整理しておこうと思った。 番組ではベトナム人に絞って事例が紹介されていた。 留学生の20代の青年が、退学して密漁に加わって転覆して死ぬまでの事例を追っていた。 日語を習得して日での学習・労働実績もあれば、帰国後も日系企業に就職できて高収入が望める。またベトナムの平均月収は17,000円だから、仕送りもできる。貧しい村で生まれたその青年は高校卒業後にベトナム国内で働いていたが、20歳で一念発起して日へ留学する。ここで100万円の借金を負う。 日で語学学

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    terazzo 2019/07/17
  • システムをハックする首相 - やしお

    安倍首相・内閣の言動がはちゃめちゃだとするなら、「どんな風にはちゃめちゃなのか」というより「どうしてはちゃめちゃが成立するのか」の方に興味があるし、「首相は愚かだ」と嘆くよりは「愚かな事態をシステムはどのように許したのか」を知りたい。 今の時点でどう見えているか記録を残しておけば、10年後くらいに読み返して面白いかもしれないと思って。 はちゃめちゃが成立する構造 はちゃめちゃが安定して存在するには、「はちゃめちゃを許容する構造」と「はちゃめちゃを用意する構造」の両方が必要になる。 おふとん(=眠気を許容する構造)と眠い人(=眠気を用意する構造)の両方がそろって安定した睡眠が成立するみたいな感じ。おふとんだけあっても全く眠くなければ睡眠は発生しないし、眠い人がいてもおふとんが無ければぐっすり眠れず目が覚めてしまう。 それから眠くなかったのにおふとんに入ったら眠くなってしまうといった、「許容す

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    terazzo 2017/06/03
  • 敵対的ソクラテスの上司 - やしお

    相手に「どうしてそうしたのか」を答えさせた上で、「しかしそれは間違っている」と論理的に説明し、さらに「それなのにどうしてそうしたのか」を答えさせる、というプロセスを繰り返して相手の逃げ道をどんどん奪っていく作業のことを、敵対的ソクラテスと呼んでいる。ソクラテスは相手との対話を繰り返し、「あなたはなぜそう言うのか」という問いを問い続けて最後に無知の知の地点にまで至らしめる。同じ行為がここでは相手を追い詰める方向へと作用する。 この敵対的ソクラテスを仕掛けられた相手は最終的に、泣くか、逆ギレするか、真っ白な顔で「はい。はい。」しか言わなくなる。 相手を追い詰めるためや、自分の身を守るためにこうした攻撃は使用される。ヤクザや取り立て屋といった職業上の必要性(?)からそうされたり、嗜虐的な嗜好を満足するために実行されたり、あるいは他人から自尊心を攻撃されて仕方なく正当防衛的に使用されたりする。 し

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    terazzo 2015/11/14
  • 若い同僚を疲弊させたくない - やしお

    隣の席に入社2年になる若手社員がいる。私が半年前に今の部署に異動してから様子を見ていて、大変そうな状況になっている。まだ経験の浅いうちに、仕事のマネジメントをしてくれる人がいないというのはつらいことだなと思った。 自分が入社して配属された部署には、課の下に3、4人程度の「チーム」があってリーダーがいた。そのリーダーが部署間の調整や仕事の割り振り、メンバーの進捗を確認したり、あるいは物事の判断をしていた。メンバーにはきちんと仕事がフィルタリングされた状態で入ってきたし、業務の負荷量も把握してくれていた。だからメンバーは自分の作業に集中すればよかった。またメンバーが「いったいどういう背景や経緯でこの作業があるのか」と聞けばリーダーはきちんと教えてくれたし、あるいは「これはこうした方がいいのでは」といった提案も受け付けてくれていたから、「ひたすら作業ばかりをしてむなしさが募る」といったこともなか

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    terazzo 2015/04/13
  • 労働生産性はともかく残業したくないです - やしお

    先進諸国の中で突出して日の労働生産性が低いみたいな話をあっちこっちできく。 ダラダラ残業が多いとか、定時まで手を抜いてて残業してから気出してるとか、フォルダを開いたり閉じたりしてるとかいう指摘を見ると、そうなんだよねーと思いあたる顔がなくはないけど、大半はそうじゃないんだよなって、自分の職場のことを思い返すと思うよ。みんな定時までも残業中もせっせと作業してる。 サボってるっていうより、せっせと生産性とは関係の薄い作業を全力でこなしているから、労働生産性が低くなるんじゃないかっていうのが実感なの。(あるメーカーのある部門にたかだか5年ばかり働いてて見てるってだけの狭い視点だから、別に一般化する気もないけどね。) この「関係の薄い」っていうのがミソで、完全に無益な作業(フォルダを開いたり閉じたりするみたいな)だったらちゃんと駆逐されるんだけど、「まあ、やった方がベターだよね」って仕事だから

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    terazzo 2013/03/18
  • この眼前の、絶望的な40年の差 - やしお

    会社に入ってすごくおもしろかったのは、まったく同じような環境で、同じような数十年を過ごしてきた二人に、取り返しのつかないほどの差がついてる、それを残酷なくらいはっきり目の前で見せてくれる、ってことだよ。 学生のころはせいぜい3、4年ほどの差を目撃するだけだった。それでも「入学したころは同じくらいの成績だったのに、ずいぶん差がついちゃったな」っていう驚きや慨嘆があった。 なのに社会に出たとたん、3、40年で積み重なった差がいきなり目の前にあるんだ! ほんとうに、途方もない気持ちになるよ。 日々その身に降りかかる出来ごとはさして違いもないのに、一人はそこから細かな疑問や発見を一つ一つ丁寧に積み上げていって、もう一人はそれを見過ごして、それか他人にゆだねていった末に、この唖然とするような差があらわになってしまうんだ。 今ぼくには、はっきり思い描いているおじさんが二人いる。どちらも同じ職場で一緒に

    この眼前の、絶望的な40年の差 - やしお
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    terazzo 2012/11/20
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