かつて1年半ものあいだ『オーバーウォッチ』の競技シーンを席巻していたメタは、ダイブ・コンポジションと呼ばれていた。これはタンクであるウィンストンとD.Vaを敵方のバックラインに突撃させ、機動力の高いDPSがその突撃によって生じた隙をつき、すばやくキルにつなげて、敵の守りを崩すという戦術だった。 この戦術がメタを席巻したのは、スキル・シーリング、つまり個々人のプレイヤーの技量とチームとしての連携がもたらす可能性の上限が、ラインハルトを中心に設計されたコンポジション(*1)よりも、おそらく高かったことに起因する。ラインハルトのシールドの後ろからどんなに凄腕のヒットスキャンが狙っていようとも、タンクがそのヒットスキャンのところに飛び込んでいってしまえば、それで終わり(*2)だからだ。 *1 構成、創作といった意味。本作においては、チームとして使用するヒーローの編成のこと。 *2 もちろん、本当は
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