HOME > ものづくり限定コラム > 浜田基彦の「走る 曲がる 止まる」 > 【走る 曲がる 止まる】米大統領候補ラルフ・ネーダー氏の40年前の仕事、消費者運動家とメーカーの奇妙な共生関係 ラルフ・ネーダー氏がまた米大統領選に出馬する。ゼネラル・モーターズ(GM)は彼が憎くてしょうがないだろう。消費者運動家として知られるネーダー氏が1965年に出版した出世作は『Unsafe at Any Speed(邦題:どんなスピードでも自動車は危険だ)』。そりゃそうだ。 ネーダー氏はこの本でGMの「シボレー・コルベア」を危険なクルマだと攻撃し、販売停止に追い込んだ。しかもGMはその戦いの過程でネーダー氏の弱みを握ろうと盗聴、尾行をして発覚するというミスまで犯した。GMはコルベアをつぶされ、おまけに顔までつぶされた。 コルベアはGMの意欲作だった。空冷の水平対向6気筒エンジンを後ろに積む——今とな