【アテネ藤原章生】ギリシャ政局の混乱は、パパンドレウ首相の辞任と、サマラス党首率いる「新民主主義党」との連立政権樹立の合意で一応の収束をみた。ギリシャ政治を考える上で鍵になるのは、「パトロン(後援者)とクライアント(従者、顧客)」という言葉だ。 【ギリシャ】パパンドレウ首相信任 浮かび上がるしたたかさ ギリシャやイタリアでは、総領などと訳されるドン(パトロン)が村人(クライアント)の面倒をみると同時に、搾取もする社会を表現するのに使われる。村人の中にはドンに反発する者もいるが、誰もが金銭や就職、トラブル解消で世話になっている。 ドイツは南欧の年金生活者が優遇され過ぎていると非難する。借金を返すため年金を改めろと言われると、ギリシャもイタリアも抵抗する。 例えば、イタリアの元閣僚は月に3万4000ユーロ(約360万円)の年金を受ける。なぜこんな高額になるのか。その疑問を解くのが「パト