バンコクまで向かう列車の出発時間まではまだ時間があったので、引き続きマハーチャイにある商店街の中をウロウロと徘徊していた。ここは観光地でも何でもない普通の商店街だ。歩いている人はみな地元の人で、旅行者の姿は見当たらない。おそらく、僕はこの時この通りを歩いていた唯一の外国人だろう。お店の人はのんびりと仕事をしていて、買い物客もゆったりと道を行き来している。僕がカメラを片手に歩いていても、興味を示したりする人はあまりいない。商店街にはのどかな空気が充満していた。 それでも中には目ざとく僕の挙動に注目する人もいたりして、そういう人たちは無遠慮に声を掛けてくる。僕にとっては待ってましたと思う瞬間だ。写真の花柄のシャツを着た男もそのようなひとりだった。歩いている僕に声を掛けてきた男にカメラを構えると、こんな写真が取れたら楽しいだろうと言わんばかりの勢いで、戯けたポーズを取り出した。その熱意に応じるた
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