淡水にある市場の中のごみごみした路地をウロウロとしていると、小さな寺院の入口に出くわした。門の向こうには大きな香炉があるのが見える。仏教なのだろうか道教なのだろうか、何の寺院だかはよく分からない。大勢の人が忙しそうに働いている市場の脇にあるのだから、おそらくは商売に敏感な道教の寺院なのだろう。 いずれにしても、境内は閑散としているよう見えた。地元の人たちは忙しすぎて、お参りする時間が無いのかもしれない。入り口には若い男が腰を下ろしていた。でも、この男もそこで休んでいるだけで、お参りするような気配はなかった。