鎮西大社と呼ばれることも多いこの神社の正式名称は諏訪神社だ。諏訪神社だけに御祭神は建御名方神とその妃神である八坂刀売神だ。 長崎市の丘の上に建つ拝殿に向かって伸びる参道の両脇には住宅が迫っていた。かつては家が建っている場所も神域だったに違いない。でも、都市化が進むに連れて浸食されてしまったのだろう。参道だけが残された場所のようだった。そんな参道には今でも参道であることを誇示するかのように石造りの立派な鳥居が並んでいた。 鳥居越しにまた別の鳥居が見える。鳥居の見た目はそれぞれ異なっているから、それぞれ建てられた時代が異なるのかもしれない。使用されている石材も違う。白っぽい鳥居もあれば、黒っぽい鳥居もあった。統一感の欠如がかえってこの神社が地元に人に慕われていることの証のような気がした。