ぼんやりと淡水河を眺めていると、二人乗りをしている男女の姿が目に入ってきた。ふたりと自転車のシルエットは川沿いをゆったりと走っている。天気の良い日だったので、川辺を自転車で走るのは心地良いに違いない。 よく見てみると、二人乗り自転車のペダルを漕いでいるのは前に乗っている男性だけだ。後ろに腰掛けている女性は足を伸ばして座っているだけだった。男性はなんでペダルが重いのか訝しがっているかもしれない。それでも、ふたりはなんだか楽しそうに見えた。そして、ゆっくりと走り去っていった。
![二人乗りのシルエット | 旅と写真とエッセイ by オザワテツ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/629af6fdf35f7076896dc0a08f3cd8a29be006b4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fawazo.com%2Fphoto%2F2007%2F862-C175_bicycle4_NL1.jpg)
交差点に立ち止まって道路の真ん中に寝転んでいる牛を眺めていた。牛に周囲を行き来している人びとの動向を気にしている様子は微塵もない。往来の激しい交差点の真ん中でくつろいでいた。 そのうち一台の自転車がやって来た。お父さんがペダルを漕いで、後部にはおそらく男性の娘であろう女の子が腰掛けている。牛の横を通り過ぎるとき、お父さんは何事もないかのようにペダルを漕ぎつづけ、女の子は交差点の真ん中に横たわっている牛を不思議そうに眺めていた。 ヒンドゥー教世界において牛は神聖なものなのだ。そのため、たとえ人間の邪魔になっていても牛が邪険に扱われることはない。写真の牛も交通の邪魔になっているにもかかわらず、誰も追い払わない。ここで避けて通らなければならないのは人間の方なのだ。
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