いまユーロはギリシャ問題を解決できずに、経済危機的な様相を呈しており、アメリカでも景気再後退の懸念が強まっている。そういう状況下で、野田政権がまず震災の復興財源として、増税を決定した。さらに、社会保障の財源として、消費税の引き上げをどうするかついても、本格的な議論が始まる。今回は、経済成長重視派の二人の論客に、この増税路線が経済政策として、妥当なものであるどうかについて、語り合ってもらった。第1回目ではなぜ済成長が必要なのか、日本の財政状況は、果たしてギリシャと同じように、危機的な状況にあるのかどうかについて検証する。(撮影/宇佐見利明) 経済成長がなければ いま抱えている課題の解決は難しい ――最初に、大変基本的なことですが、なぜ経済成長が必要かについて、お二人の意見を聞かせてください。世界的にみれば、日本はもう十分豊かなので、経済成長は必要ない、定常的な社会を前提にして、課題の解決に取