米国では知らない人がいないほど有名なパネラブレッドは、この状況に変化をもたらそうと立ち上がった。北米に約1600店舗のカフェを持つパネラブレッドは、おいしいパンが食べられるコーヒーチェーン店だ。パネラブレッドは、ただ多額の寄付をするのではなく、客が払える分だけの料金を払うカフェ「パネラケアズ」を運営している。 「パネラケアズ」は、なぜ始まったか パネラブレッドの創立者で共同最高経営責任者であるRonald M. Shaichは、貧しい人々へ食料を配るボランティアをした際、食料をとりに行くのに1時間、配達する家まで2時間、次の家まで3時間と運転をした経験がある。起業家の彼から見ると信じられない効率の悪さだ。自分には起業家としてできることがあるのではないかと思っていた。そして数年前のある晩、テレビを見ていて「客が払う金額を決めるカフェ」の試みを知り、「これだ!」と思ったとShaich氏は語る。