危機的状況が続く東京電力福島第1原発で、1号機のほかに2、3号機でも、空だきされた燃料が高温で溶け落ちる「メルトダウン」が起き、圧力容器の底部が損傷している可能性が高まった。そのなかで最も不安なのは、猛毒のプルトニウムを生成する3号機。一時は336度まで温度が上昇するなど、溶け落ちた燃料が圧力容器を突き破って格納容器に漏れ出した恐れもあり、最悪の場合、再臨界の可能性も取りざたされている。 メルトダウンで真っ先に恐れるべきは、燃料棒が溶けて、圧力容器の下の格納容器からさらに建屋にまで突き抜ける「チャイナシンドローム」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、「チャイナシンドロームみたいな状況ではない」と否定しているが、では今後、安定化への作業はどのように進むのか。原子炉安全設計が専門の川島協・前九州東海大学長はこう語る。 「注入した大量の冷却水が汚染水として増え続ける現状を止めるには、汚