1年前、鼻腔内に悪性の腫瘍があることがわかり、闘病を続けていたわが家の老犬トビーが、先日、静かに旅立った。13歳と6ヶ月だった。本当に安らかな最期で、家族の誰も、朝になるまで気づかなかったほどだ。 前日の夕方、夜中に痛みを感じることがないように、動物病院で痛み止めの注射と点滴を打ってもらった。その日は朝から少し食べ、薬も飲むことが出来ていたし、表情を見ても普段通りだった。落ち着いた様子を見た獣医師は、週が明けたら痛み止めの座薬を試し、一日置きの通院を検討してみましょうと提案してくれた。私も連日動物病院に通う生活に少し疲れを感じていたので、その提案はありがたかった。 動物病院から帰宅してしばらくすると、トビーは静かに眠りはじめた。少し居心地の悪い表情をして体の位置を変えたり、時折鳴いたりしていたものの、それでもちゃんと眠ることができていた。その様子を見て、苦しい日々も、きっとあと数週間だろう