ブック商法の無罪判決に一番驚いているのは、厚労省の監視指導麻薬対策課や都の薬事担当者であろう。罰金刑で収まり、メンツは維持されるというのが大方の見方であったからだ。これまでも薬事法の適用は、どちらかといえば行政や警察の強引な運用で、産業界には違和感があった。 また東京都は講習会で、「階段の昇り降りは薬事法違反」という意味不明の説明をしてきたし、その前には、厚労省の4・13事務連絡で、徹底した言葉狩りが行われ、業界がエグゼ会議などを通じ正しい法の運用と、サプリメント法の制定を求めて立ち上がった経緯もある。 今回の裁判では、キトサン健康食品のバイブル本(現代書林)が、広告に該当するか、間接正犯は成り立つかなどが争われた。既に、ケンコーコムなどが訴えた医薬品の通信販売禁止問題で、“薬事法の趣旨を逸脱した省令は違反”との判断が出ており、その影響も無視できない。司法当局は、長く続いてきた、通知・通達