389ページのなかなかに分厚い本を、一気に読んだ。 読みながら、何度も「これは日本のことじゃないのか?」と頭がクラクラした。 弱者への侮蔑。自己責任という言葉が覆い隠す制度の欠陥や政策の転換。不安定化する一方の雇用。失われる製造業などの働く場。荒廃する地方。低所得者が生活保護受給者をバッシングし、削られていくばかりの社会保障費。貧しい人々を野生動物のように観察し、さらし者にするメディア。公務員バッシング。潰される労働組合。あらゆる社会問題を「家族の崩壊」のせいにする政党。富む者は富み続け、持たざる者は更に貧困に追いやられていく社会。そして移民に向けられる悪意。30年間にわたる新自由主義政策の残酷すぎる「結果」。 これらはすべて、イギリスのことである。EU離脱が国民投票で決まったのが2016年。一方、今年6月の総選挙では労働党が大勝し、与党・保守党の議席が過半数割れを起こすという「大番狂わせ
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