新型コロナウイルスの影響で次々と劇場が閉じていく。それに対して、演出家の野田秀樹は「ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは「演劇の死」を意味しかねません」と訴える文章を発表した。 「野田秀樹さん『劇場閉鎖は演劇の死』 公演自粛に意見書」『朝日新聞デジタル』2020年3月1日 https://www.asahi.com/articles/ASN3164G4N31UCVL00B.html この意見書で、野田さんは劇場閉鎖の前例を作ってはならず、できうる限り、劇場閉鎖を避けるべきだと述べている。また、文章の中で「演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術です。スポーツイベントのように無観客で成り立つわけではありません」の書いたことにより、スポーツに対する無配慮を批判された。 このような文脈で「劇場」を閉じるべきか否かという議論があったのだが、先日書いた「『演劇』と『労働』」*1