加藤さんの部屋に残されていたアマチュア時代のフォークルの解散コンサートの写真(㊨加藤さん、㊥きたやまさん)=昭和42年(きたやまおさむさん提供) 《きたやまさんにとって、とてもつらく、悲しいことを振り返ってもらわねばならない。平成21年10月17日、ともにザ・フォーク・クルセダーズ(フォークル)をつくり、40年来の親友・盟友だった加藤和彦さんが長野県軽井沢町のホテルで亡くなった。62歳。自死だった》 当時、加藤が精神的に異変をきたし、「死にたい」と漏らしていたのは知っていました。理由はいくつかあったと思います。ひとつは「創造ができなくなった」というのです。同じことを繰り返すのがイヤで、常に新しいものを生み出してきた加藤にとって、クリエーティブな活動ができなくなったということは、とてもつらいことだったに違いありません。 もうひとつは経済的に切迫していたことです。加藤はグルメだし、ファッション