組織学会年次大会に参加して,久しぶりにいろいろな人とお話しすることができた。最後のセッションでは伊丹先生が経営学者の未来を語り,加護野先生がコーポレート・ガバナンス論を通じて企業経営の未来を語るというセッションだった。お二人の報告に共通項は特にないだろうと予期していたのだけど,ディスカッションでは両者が共通の言葉で繋がれたセッションだった。 投資家はポートフォリオを組んで分散投資をすることができるが,従業員は分散投資をすることができず1つの組織に否応なくコミットせざるを得ない存在であるというのは一般によく知られた話だと思う。自分の身を振り返ってみると研究者もまた,自分の研究に否応なくコミットせざるを得ない存在である。良い研究ができて,優れた研究者に成ることができればよいが,能力の問題もあれば,勘やセンス,リサーチサイトとの巡り合わせのような不確実な要因もある。博打の側面は常につきまとう。自