政府はブラック企業対策の一環として労基法違反企業の名前を公表するという。 ブラック企業名、早期公表=送検前でも―厚労省(時事通信) 労基法違反の「企業名の公表」はもちろん有意義だ。書類送検前の企業名公表は、私も与党の議員と懇談する機会があるたびに求めてきた内容でもある。 だが、それだけではブラック企業対策として不十分な理由が三つある。 (1)監督官の数が不十分で取り締まりきれない (2)労基法の範囲は狭く、パワハラや解雇は規制の対象外 (3)労基法違反を繰り返して「開き直っている企業」には効果がない それぞれ紹介していこう。 監督官の数が少ない第一に、監督官の人数が少なすぎる。労働基準監督署の職員数は慢性的に不足している。監督官は現在全国に2900人いる(2013年)。だが、実際に第一線で監督業務に従事しているのは1500~2000人ほどだ。 東京23区を監督する監督官の数は、管理職を含め