ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学 iPS細胞研究所の山中伸弥教授が、「人間万事塞翁が馬」と題して高校生に向けて行った講演。山中教授は自身の人生を振り返り、整形外科医としての挫折がなければ研究者の道へ進むことはなかったという。研究者として、人生の先輩として、これからの日本を担う高校生にメッセージを送ります。 動脈硬化を防ぐ遺伝子治療 山中伸弥氏(以下、山中)これがその当時の私で、さっきの私とあんまり変わっていないかもしれませんが。これで15年前ですね。隣にいてるのがその時の僕の直接のボスというか上司で、トム・イネアリティ先生です。 やはり研究は一緒です、これはこうかもしれないという仮説があって、それを実験で確かめるという。この時僕はポスドクという半人前の研究者ですから、やっぱり仮説を考えるのはボスのトムです。僕はトムの作った仮説を確かめるというのが仕事でした。 三浦先生の仮説はさっき