東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開中の「選挙2」は、2011年4月の川崎市議選をめぐるドキュメンタリー。 想田和弘監督=写真=が、07年公開のデビュー作「選挙」の主人公である「山さん」こと山内和彦さんの選挙戦を再び撮った。 前作の撮影時は自民党の落下傘候補として徹底的にどぶ板選挙を繰り広げた山さんだが、今回は「脱原発」をスローガンに完全無所属で出馬。以前とは一転、金をかけない選挙戦に挑む。 東日本大震災からまもない時期。山さんは日本社会の状況に怒り、再出馬したが、目立った政策論争は起こらず整然とした日常が営まれていく。「議論が起きない」と想田監督。「あれだけの原発事故が起きたのだから議論すべきだと思うし、選挙は格好の場。利害関係や立場、主張をすりあわせる機会になるべきなのに、そうなっていない。みんな無関心のまま、日常を送りながら何となく(結果が)決まってしまう」 そうした状況の